挑戦の輪は止まらない ~データが語るマンツーマンレッスン2,000人の「はじめの一漕ぎ」~
- Takeshi Matsunaga

- 4 日前
- 読了時間: 8分
みなさん、こんにちは!お元気ですか?
アジア自転車教室の人気プログラム「パーソナル自転車レッスン」が、延べ2,000人の参加を達成しました。これもひとえに、皆さまの温かいご支援のおかげです。本当にありがとうございます。「乗れるようになりたい」という想いに寄り添いながら、年齢も国籍も動機もさまざまな一人ひとりが、自転車を通じて挑戦と成長を体験してきました。その瞬間に立ち会えたことは、私たちにとって、かけがえのない財産です。
このブログでは、1,000人達成時に続く分析の第2弾として、2,000人分の記録から見えてきた傾向をご紹介します。性別・年齢・参加動機・結果など、多角的な視点から「自転車に乗ること」の意味を、あらためて見つめ直していきます。そしてこの記録が、「まだ乗れない人」への勇気となり、地域や世界とのつながりを広げていくきっかけになることを願っています。ぜひご覧ください!
※記載の内容は、アジア自転車教室での実績と指導員が参加者との会話で感じたこと等に基づいていて、ある意味では「側面的な」内容となっているかもしれません。分析手法もまだまだあるでしょうし、書ききれていないことや、異なる考え方もありますので、そのうえでご覧いただけますと幸いです。
目次:
1.達成スピード
~2,000人に広がった挑戦の輪~
2.参加者プロフィール分析
~多様な背景から見えてきた「乗りたい気持ち」~
3.成果との関係
~「乗れるようになった」その瞬間にある、今の自分~
4.リピートする人々
~「また来たよ」から始まる、つながりと挑戦の物語~
※今回のブログでは目次1と2を先行して紹介しています
1.達成スピード ~2,000人に広がった挑戦の輪~

2020年6月にスタートしたパーソナルレッスンは、2023年春に1,000人、2025年秋には2,000人に到達しました。年を追うごとに参加者が増え達成までのスピードも加速しています。これは、ただの数字ではなく、ひとりひとりの“はじめの一歩”の積み重ねです。
途中にはコロナ禍もありました。「公共交通機関を避けたい」という声が増え、感染症対策を徹底しながら教室を継続。コロナが明けると他の屋外イベントも再開し、一時的に参加者が落ち着いた時期もありましたが、「少人数・屋外・安心安全設計」というスタイルが、今だからこそ必要な場として選ばれてきました。近年の猛暑や温暖化の影響も活動に影を落としています。特に夏の午後は厳しくなり、春や秋に参加が集中する傾向も。時間帯の工夫をしながら、季節を越えて届く「乗れるようになりたい」という声に応え続けています。
2,000人という数字は、地域に、そして人の心に「安心して挑戦できる場」として根づいてきた証。自転車教室の活動は、社会の変化を映す“鏡”でもある——そんなことを、私たちは感じています。
2.参加者プロフィール分析
~性別・年齢・参加動機・国内・国籍・障がいから見える多様性~
2ー1.性別 ~皆が安心して来られる場として~

2,000人時点での参加者は、女性が約1,460人、男性が約540人。女性が多い傾向は変わらずですが、男性の参加もじわじわと増加しており、割合で見ると24.4%から27.0%へと変化しています。「安心して来られる場」として、特に女性からの支持が強い一方で、「実は乗れないまま大人になってしまって…」という男性の参加も増えてきていると感じています。性別を問わず、「今こそ乗れるようになりたい」という気持ちに寄り添える教室でありたい。それが、私たちアジア自転車教室の変わらぬ願いです。
2ー2.年齢 ~「はじめの一漕ぎ」を踏み出すタイミングは人それぞれ~

1,000人時も2,000人時も、幅広い年齢層の方々にご参加いただいています。その中で特に変化が見られたのが、10歳未満の小さなお子様の参加。2,000人時には全体の4%(80人)にまで増加しました。「子どもに乗れるようになってほしい」「親子で一緒に練習したい」。そんな声が増え、アジア自転車教室が「はじめての一漕ぎ」を応援する場として、地域に根づいてきたことを実感しています。この年齢層の多くは、出張教室や放課後教室を利用されており、生活に寄り添った形で参加されています。
30代に参加者のピークがありますが、60代でも盛り上がりを見ることができます。「乗れないまま大人になってしまった」「もう一度挑戦したい」という方々にも、年齢を問わず安心して来ていただくことができている、と感じています。電動アシスト自転車教室や高齢者向けの「免許返納予定者向けレッスン」も始めました。皆様に寄り添える教室であり続けたいと思います。
2ー3.参加動機 ~自転車に乗る理由は、暮らしの中にある~

2,000人の参加者お一人お一人に「自転車に乗れるようになりたい」と思った理由があります。私たちは、その「動機」にも丁寧に耳を傾け、記録してきました。1,000人達成時から2,000人に至るまで、大きな傾向の変化は感じていません。ですが、日々の暮らしの中で「自転車が本当に必要とされる場面」は、むしろより明確になってきたと感じています。
最も多かった動機は「街乗り・買い物」。1,000人時点では384人(38%)だったのが、2,000人時点では850人(43%)と、221%の伸びを示しました。免許返納による車から自転車への切り替え、温暖化の影響で歩いての買い物が難しくなるなど、「ちょっとそこまで」の移動手段として、自転車が地域の暮らしに改めて根づき始めていることを実感しています。
「子ども送迎」も116人から236人へと、204%の伸びが見られました。「子どもを安全に送り迎えしたい」「親子で一緒に乗れるようになりたい」。そんな声に、自転車が家族の安心を支える手段として選ばれているのではないでしょうか。どんな動機であっても、私たちはその想いに寄り添い、ずっとそばにいます。どうぞ安心してお越しください。
2ー4.国内エリア別 ~地元から全国へ、そしてその先へ~

アジア自転車教室は、神奈川県を拠点にスタートしました。最初の1,000人では、神奈川・東京の方々が中心で、まさに「地元密着」の教室でした。2,000人に到達した今も、神奈川・東京が中心であることに変わりはありません。ですが、少しずつ関東一円、さらには全国へと広がってきているのを実感しています。特に中部エリアでは、愛知教室の開設をきっかけに、参加者が着実に増えはじめています(27名)。また、海外在住の方の参加も見られるようになりました(3名)。「海外からネットでチェックしていて、日本への一時帰国のタイミングで来ました」という方もいらっしゃいます。まだ少数ではありますが、「国境を越える教室」としての可能性が見えてきたことは、私たちにとって大きな一歩です。地元から始まったこの教室が、少しずつ、でも確実に広がっていること。それは、「安心して挑戦できる場」が、どこにあっても必要とされている――その証だと感じています。
2ー5.国籍 ~国内の加速、海外の芽吹き~

海外国籍の方も参加してくれています。1,000人時点では36人、2,000人時点では60人(全体の3%)と、じわじわと増えてきました。特に中国・韓国の方が多く、香港や米国、その他の地域からも少しずつ参加が広がっています。海外国籍の方の増加ペースは、国内の加速に比べるとゆるやかですが、コロナを経て「芽吹きの時期」に入った段階と考えています。言語や文化の違いがある中で「ここなら挑戦できそう」と思ってもらえること。教室の雰囲気や指導員の語りかけるスタイルが、国籍を越えて届いている証だと思っています。そして始まったばかりの「Private Bike Lesson」。小さな広がりですが、これから先「国境を越えて届く教室」として、少しずつ着実に信頼を育てていけたらと思っています。
2ー6.障がい ~「特別」ではなく「ふつう」に来られる教室へ~

アジア自転車教室に来てくださった「みんな」のことをもう少しだけ紹介させてください。
それは「障がい」のある方。2,000人時点、自己申告ベースで58人でした。そのうち21人は、発達障害がある方でした(伝えてくださいました)。
私たちは「障がいがあるから特別に対応する」という考え方ではなく「障がいの有無に関係なく誰でも来られる教室」であることを大切にしています。とは言え、障がいの程度や状況はやはり人それぞれ。参加時のスタートカウンセリングは10分程度(あるいはそれ以上)行わさせていただいてからレッスンをスタートしています。ほとんどの方がお申し込みの際に事前に状況を伝えていただいていますが、一方でお会いしてから初めて『実は…』と話してくださる方もいます。それは、私たちを信じてくださった証だと思っています。どんな場合でも、みんなが安心して「はじめの一歩」を踏み出せるように、私たちは変わらず寄り添い続けたいと思っています。
「その他」の方ですが、ヘルプマークを持っている方、脳性麻痺を患っている方、ダウン症等、様々な方が含まれています。脳梗塞を患い、リハビリの一環として来てくださった方もいらっしゃいました。自転車に乗ることが、人生の再スタートや挑戦の象徴になることもあるのだと、あらためて感じさせてもらいながら皆さんと一緒に頑張っています。
障がいのある方が来てくださること。それは、この教室が「人をまるごと受け止める場」になっている証だと思っています。全ての人の「自転車に乗ってみたい」という気持ちを、私たちはいつでも応援しています。
※障害のある方は、事前にお伝えいただいた時には、保護者様やパートナー様等のお付き添いをお願いしています。また、安全面を考慮し、妊娠中の方にはレッスンのご参加をご遠慮いただいております。どうかご理解いただけますと幸いです。
「2週間後、またこの場所で」
今回のブログはここでいったん区切りとなります。最後まで読んでくださいまして、本当にありがとうございました!後編では『成果との関係』や『リピートする人々』について、さらに深く「挑戦の輪」を見つめていきます。
2,000人の「はじめの一漕ぎ」には、まだまだ語りきれない物語があります。乗れるようになった人々のプロファイルや、何度も足を運んでくださる方々とのつながりを通して、さらに広がる共創の物語をお届けします。2週間後(2025年12月4日リリース予定)、またこの場所でお会いできるのを楽しみにしています!
お知らせ:こども教室(グループレッスン)もおかげさまでまもなく10,000人を迎えます。こちらについても2026年1月以降で分析結果をまとめたものをご案内できると思います。楽しみにお待ちくださいませ。



